『FALLOUT COLD CODE』 外伝 アンカレッジ戦争 第8章:戦場の距離
第8章:戦場の距離
凍てつく風が吹き荒れる戦場の遠く、
ハリントン・ハリス中尉は冷静な目で視界を凝らした。
彼の目に映ったのは、約700メートル先の右側の瓦礫の陰。
そこには、整然と編成された約80名の中国軍兵士が隊列を組んでいた。
さらにその背後には、戦車が4両、重厚な鉄の塊がゆっくりと待機している。
互いに無線で連携を取り合い、動きを慎重に確認しながら、敵の隊列は進軍の準備を整えていた。
ハリントンは銃を握り締め、静かに息を吐く。
「この人数と火力じゃ……正面から挑んだら、全滅は確実だ」
彼は周囲の地形を素早く把握し、逃げ道を探る。
敵の視線を逸らしつつ、戦車の死角を利用しながら、慎重に距離を取る。
ハリントンは低い声でつぶやく。
「連携を保ちながら、迅速に撤退しよう……無駄死にするほど若くはない」
雪煙を蹴り上げながら、彼は一歩ずつ冷静に後退を開始した。
戦場の距離は、勝敗を分ける――
その距離を保つことが、今は生き残る唯一の策だった。
雪に埋もれた瓦礫の間を抜け、ハリントン・ハリス中尉は慎重に先へと進んでいた。
彼の目の前に現れたのは、長年放置された古びたプレハブ小屋。
扉は半開きで、冷気が静かに漏れ出している。
中に入り、足音を殺しながら通過した彼は、さらに先の出口へと向かう。
そこには錆びついた古い橋が架かっていた。
橋は氷に覆われ、慎重に一歩一歩足を進める。
その先に、視界が開ける。
雪煙の中に見え隠れするのは、しっかりと築かれたコンクリート製のトーチカ。
周囲には、中国軍兵士の姿がちらほら。
だが、彼らはハリントンに気づいていない。
ハリントンは息を潜め、周囲を確認。
慎重に背後を振り返り、ポケットから手榴弾を取り出す。
「……これで一気に片づける」
静かに腕を振り上げ、手榴弾をまとめて投げ込んだ。
パァン! バァン!
連続した爆発がトーチカ内部に轟き、兵士たちの悲鳴と悲鳴の中断が交錯する。
煙と破片の間を縫うようにして、ハリントンは素早くその場を離れた。
「これで少しは楽になる……」
背後で燃え上がる火花を見つめながら、彼はまた静かに先へと進む。