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『FALLOUT COLD CODE』 外伝 アンカレッジ戦争 

『FALLOUT COLD CODE』 外伝 アンカレッジ戦争 第16章:拒絶の記章

第16章:拒絶の記章
廃墟のただ中。
ノーラ・ヘイスティングス中佐は、薄汚れた白いジャンバーを羽織って立っていた。
その下には、際立つ白いハイレグの下着、そしてTバックだけ。

前に立つのは、黒人の若き少尉だった。
彼は小さな勲章を両手で差し出し、敬礼をして言った。

黒人少尉
「中佐、これは貴方の勇敢な功績に対する、正式な勲章です。
どうかお受け取りください。」

ノーラは軽く呆れたように鼻を鳴らした。
周囲に誰もいないことを確認すると、無言でがれきの影に目を向け、勲章を強く投げ捨てた。

金属が地面にぶつかる鈍い音が、寂しい空間に響き渡る。

彼女は一言つぶやいた。

ノーラ
「こんなもの、いらないわ……」

ジャンバーの裾を掴み、ゆっくりと引き裂きながら語り始める。

ノーラ
「私の戦いは、誰かの賞賛のためじゃない。
そもそも、私をこの姿にした“彼ら”のためでもない。」

彼女はそっとジャンバーを脱ぎ捨てた。
白い肌が露わになり、風が冷たく肌を撫でる。

ノーラ
「これは…鎖だ。縛りつける鎖。私は自由を奪われた存在。
ただ戦うためだけに生まれ、殺すためだけに育てられた。」

彼女はゆっくりと下着も脱ぎ始める。
薄暗い空の下、無防備な姿を晒しながら、独白は続いた。

ノーラ
「でもね、私にはもう嘘はつかない。
何度も裏切られて、何度も壊された。
それでもまだ、私は生きている。私の意思で。」

「勲章なんて、ただの飾り。誇りのため?そんなものは幻想よ。
私が守るのは、ただ……“私自身”だけ。」

静かに、彼女は地面に跪いた。

風が吹き荒れる中で、ノーラの目は強く光っていた。

 

冷たい雪が舞い散る荒涼たる雪原。
裸のまま、ノーラ・ヘイスティングスは静かに佇んでいた。

やがて彼女は、まるでバレリーナのように身を動かし始める。
繊細で優雅な手足の動き。
そして宙を舞う回転ジャンプを繰り返す。

氷のように冷たい風が彼女の肌を刺すが、顔には一切の苦痛はなかった。

低く、淡々とひとりごとをつぶやく。

ノーラ
「戦場こそが、私を生かす。
殺戮こそが、私を美しくする――誰も理解できないだろうけれど。」

「平和? 愛? そんなものは、私を堕落させるだけの戯言。
それらを追い求める者は、結局は自分の弱さから逃げているだけ。」

彼女は回転を止め、一瞬空を見上げた。

核兵器が世界を燃やそうが、都市が灰になろうが、私は気にしない。
私には関係ない。」

「私が生きるのは、ただひとつの理由のためだけ。
それは、――“殺す”こと。」

彼女の言葉は、冷たく硬質な鋼のように響いた。

「この身も心も、もう“人間”ではない。
それでも、これが私の選んだ道。だからこそ、私はここにいる。」

雪は彼女の足元を覆い尽くし、舞い落ちる白い粉が彼女の吐息を一瞬で消していく。

ノーラの瞳は、凍てついた戦場の中で、唯一燃え盛る炎のように輝いていた。

 

冷たい雪が全身を濡らし、ノーラ・ヘイスティングスの肌に貼りつく。
それでも彼女は踊り続けた。
体操の動きは滑らかで、しかしどこか冷たく硬質な美しさを放つ。

口元はわずかに動き、長く呟き続けた。

ノーラ
「家族だの、妻だの……そんなものは私には関係ない。
愛情や絆? それは戦場に持ち込む弱さの象徴にすぎない。」

「私が殺す理由? そんなものは必要ない。
殺すこと自体が、私の存在理由だから。」

彼女の目は虚ろになり、まるで遠くの何かを見つめるようだった。

「子供や老人を殺してはいけない?
そんなルールは、ただのバカげた幻想だ。
戦いに理由や倫理を持ち込むこと自体が、愚か者の言い訳に過ぎない。」

「戦場は無情で、冷酷で、ただ“勝つ”ためだけに存在する。
弱者を守る? そんな理想は血に染まった砂の上にしかない。」

彼女は一瞬、空を見上げる。

「私は戦場の獣。
何も求めず、何も許さず、ただ殺すことだけを知っている。」

「もしも世界が灰になっても、
私はそこに立ち続ける。
私だけが真実を見ているのだから。」

濡れそぼった髪が雪と共に彼女の肩から垂れ落ちる。

その背中は、孤独と覚悟の象徴のように凛としていた。