1023chang’s blog

『FALLOUT COLD CODE』 外伝 アンカレッジ戦争 

『FALLOUT COLD CODE』 外伝 アンカレッジ戦争 第25章「がれき」

第10章「がれき」
第108連隊は激戦の末、炎と瓦礫に覆われた廃墟の中へと踏み込んだ。
辺りには破壊された兵器と散乱する残骸が静かに横たわっている。

「注意深く進め。敵の罠がまだ残っているかもしれん。」

ハリストン少佐の低い声が隊員たちに緊張を走らせる。

隊は瓦礫の底に目を凝らした。
そこには破損し散乱した中国軍の武器が無数に転がっていた。
予備マガジンやミサイルの残骸も発見され、戦力補填のため迅速に回収作業が始まる。

「マガジン回収完了、ミサイルも確保した。」

ネイト軍曹が報告を送る。

次の目的地は巨大な金属パイプ。
荒廃した施設の奥へと続く細い通路だ。

「よし、ここを渡って装甲の内部へ潜入する。全員、足元に気をつけろ。」

鉄でできたパイプは氷で滑りやすく、冷気が骨身に染みた。
隊員たちは一歩一歩慎重に渡り切り、無音の中、敵陣の奥深くへと忍び込んでいった。

薄暗い装甲の内部は機械の冷たい匂いが充満し、静寂に包まれていた。
しかし、ここが次なる戦いの舞台であることは疑いようもなかった。

 

薄暗い装甲内部に足を踏み入れると、静寂が支配していた。
しかしすぐに、隊員たちは点在する複数の中国兵の戦死体を目にした。

瓦礫に押し潰され、銃火の傷痕が残る彼らの姿は、痛ましくも戦場の非情を物語っていた。

ハリストン少佐はその死体を一つ一つ見渡しながら、やがて遠い記憶と感情が胸の奥から湧き上がるのを感じた。

「……奴らもまた、命を賭けて戦っていたのだ。俺たちと同じようにな。」

血塗られた廃墟の中、戦いの意味、犠牲の重さが改めて彼の心に重くのしかかった。

だが、任務は容赦なく彼らを前へと促す。
ハリストンは拳を握り締め、決意を新たにした。

「これ以上の犠牲を出さぬためにも、俺たちは進み続けなければならない。」

足音が響く装甲の通路を、冷徹な戦士たちは静かに、しかし確実に進んでいった。

 

装甲の薄暗い通路の奥、沈黙の中に突然声が響いた。

「撃つな! 手を上げたぞ!」

ハリストン少佐が即座に制止の声をあげた。
前方に一人、生き残った中国兵士が膝をつき、震える手をゆっくりと天に掲げていた。

「裸の女に……やられた……あの……化け物に……」

兵士の声は震え、恐怖が滲んでいた。

ネイト軍曹が前に進み、低い声で問いかける。
「誰にやられた? 詳しく話せ。」

だがその時、背後から鋭い銃声が鳴り響いた。

最後の兵士は呻き声をあげ、ゆっくりとその場に倒れ込む。

「――奴か……」

ハリストンは振り返った。そこには、かつて戦場で目撃した――

裸の女の影が、冷たく光る目で彼らを見据えていた。

彼女の姿は闇に溶け込みながらも、戦慄の存在感を放っていた。

「まさか、あの“奴”がここに……」

ハリストンの胸に走る凍りつくような感覚。
彼はその冷たい瞳を、絶対に忘れることはなかった。